銀座スカイラウンジのマロンシャンテリーで誕生日のお祝い|恋秋生誕祭2023

叶恋秋(Ye Lianqiu)

私が姉の叶恋秋。お誕生日のお祝いをしてもらいました!

叶祈娈(Ye Qiluan)

そしてこの記事を書いたのが妹の祈娈です

【登場人物】
♡恋秋(りぇんちぅ):叶姉妹の姉。1月1日が誕生日。
♡祈娈(ちーるぁん):叶姉妹の妹。今回、恋秋の誕生日祝いをした。

毎年元日といえば、お正月であるというのが皆の共通認識である。同時に、私(祈娈)の姉である恋秋の生まれた日なのである。毎年2人で一緒にお祝いするのだが、今年の誕生日は互いのスケジュールにより、誕生月ギリギリの1月31日にお祝いをすることとなった。

ランチタイムに合わせる形でお祝いのケーキを頂くことにした。会場として「マロンシャンテリー」のケーキとお店全体が円形で建物部分がゆっくりと回転するラウンジで知られる、有楽町駅そばの東京會舘「銀座スカイラウンジ」へ向かった。

スカイラウンジは交通会館最上階に位置する。私たちは、お店全体がゆっくりと回転して全方位360度の眺望が楽しめることを心待ちにしていたのだが、行く直前にあらためてお店のウェブサイトを確認してみると、2021年9月1日のリニューアルオープンに伴い、お店全体の回転を中止したとのことだった。そのことを知らなかった私たち2人はとても衝撃を受けた。

気を取り直してエレベータで14階まで上がり、階段で会場である15階に上がる。14階には大きく白い、ふかふかそうなソファーが配置されており、これから過ごすであろう時間に対して期待感が膨らんでゆく。

柔らかな色合いの絨毯

足音を静かに吸収する、春色のツイードのような柔らかな色合いの絨毯を歩き、席へ通される。お店の回転が止まったとはいえ、その見晴らしの良さは以前と全く変わりない。私たちは線路のよく見える席についた。

真っ白いテーブルクロスの上には、紫色の花が同じ色合いの花瓶に入ってそっと置かれており、彩りを添えていた。

真っ白なテーブルクロスと紫色の花

それぞれ飲み物と食べ物の計2種類のメニューを渡され、豊富なコースメニューやワインをはじめとする飲み物の種類に驚く。私たちはカジュアルに、各々ライトミールの中から食事を選び、食後にマロンシャンテリーとコーヒーのセットを注文することにした。姉は「国産牛の網焼きハンバーグ 色々薬味付き」。私は「伝統のドゥミグラス煮込みハヤシライス」。

折角のお祝いなのでワインも頂きたい気分になって、グラスを1つずつ追加注文することに。3種類用意されていた赤のグラスワインで迷って、メニュー真ん中に書かれており、値段も真ん中の「ゼット ジンファルデル(PUGLIA/ITALY)」を選んだ。姉によると、「真ん中を選ぶといいことがある。」とのことだった。

食事が運ばれてきて辺りが美味しそうな匂いに包まれ出した。ワインも注がれて準備は整った。

「「乾杯~♡」」

その葡萄の香りと味わいに私は感動を覚えざるにはいられなかった。よくあるアルコール飲料のような、喉にツンとくる感覚がほとんどなく、葡萄の美味しさをまるごとに味わう感覚を初めて知ったのだった。

食事もとてもとても美味しく味わうことができた。ワインと食事の相性もほんの少しだけわかった気がしてきた。互いに味見をさせてみたりして美味しさを共有した。

銀色のつやつやした食器に注がれたハヤシライスは、その伝統の深さと同じように深い色をしていた。私の苦手とする玉ねぎの甘ったるさはそこにはなく、真摯に向き合うことで作られた美味しいソースでできていた。ピーマンの彩りも上品さを伴っていた。

伝統のドゥミグラス煮込みハヤシライス

ハンバーグのプレートは「色々薬味付き」ということもあり、そこでパーティーが行われているような、目にも楽しげな一皿だった。上質なお肉が使われた味わいで、私は姉から柚子胡椒の味付けで少し頂いた。和の要素を多く取り入れているのだと感じる。ハンバーグは、標準では2個だがお好みで1つ80gから追加できる仕組みで、姉は食べたそうにしていたが遠慮していた。ハンバーグが2個では足りないくらいに薬味もふんだんにあしらわれていた。

国産牛の網焼きハンバーグ 色々薬味付き

食事を終えると、お待ちかねのマロンシャンテリーだ。当初は通常の白いクリームのものを2つ注文しようと考えていたが、注文の際に店員さんから「1月末までの期間限定でゆず風味のマロンシャンテリーが用意されている」と教えていただいた。姉はお誕生日らしく白い、私は限定のゆず色のマロンシャンテリーを選ぶことにした。

マロンシャンテリーとは、東京會舘初代製菓長である勝目清鷹氏が1950年頃に「白い山」を意味するモンブランというデザートを見て日本人向けにアレンジして作り出したと言われている、栗と生クリームのケーキだ。現在一般的なモンブランの見た目とは大きく異なり、辺り一面の輝く雪を思わせる生クリームの山の中に、金色に輝く栗のペーストが隠されている。

その素朴な食感を残した栗が繊細に織り重なり、その栗が麗しく絞られた生クリームを纏ったケーキなのである。

マロンシャンテリー
ゆず風味のマロンシャンテリー

私はケーキにフォークを入れる瞬間が好きだ。美しく仕上げられた一形態が一瞬にして変容するさま。それがどんなふうに形や美しさを変えていくのか。まるでコーヒーにミルクを注いだ瞬間の、後戻りできない美しい瞬間とでも言えよう。あるいは腕のないミロのヴィーナスのような美しさの瞬間もある。

東京會舘の紹介文によると、マロンシャンテリーは「朝日に輝く頂の新雪のようにまばゆい生クリームの山」とある。これほど姉恋秋の生まれた日にぴったりなケーキは他にないのではと錯覚する。第一に姉は生クリームの山を食べることが大好きだ。それにモンブランケーキを好んで食べることから、栗の要素も入っているこのケーキは季節的意味だけでなく、姉の大好きなものを詰め込んだ宝の山なのだ。マロンシャンテリーは今までに何度か口にする機会があったが、この日のその生クリームの滑らかさといったら唯一無二かもしれない。それだけ特別感があり美味しく感じられた。一方で、1月中だけ期間限定のゆず風味のマロンシャンテリーは、ゆずの爽やかさが強く散りばめられたゆずの皮がより素敵さを纏っていた。ゆずの風味と栗の味はお互いに特徴的で、どこから食べても飽きのこないケーキだと思った。いつもは純白だが、こちらの黄金のようなケーキもとても素敵だと思った。

楽しい時間はいつもあっという間だ。乾燥しやすい冬であるため2人で意識してグラスから水をよく飲み喉を潤した。心からも、体からも、潤していくことはこの水の惑星で生きていく上で大切だ。

ちなみに私たちの姓である「叶(ye)」は、「葉」という意味である。そんな私たち姉妹もこの「Yeblog」(=叶姉妹のブログ)にこれからも水を与えて少しずつ育てていけたらと心より思っている。

14階と15階を結ぶ階段
この記事を書いたひと
叶祈娈(Ye Qiluan)

秋葉原によく来る。